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総務省の大人の事情

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2011年7月24日に完全移行すると言われている(無理だと思うが)地上デジタル放送だが、既にデジタル放送を受信している視聴者からは不満の声が聞かれる。地上デジタル放送の視聴者にとっての二大デメリットはコピーワンス区域外再送信の禁止であろう。特にコピーワンスについては不満の声が多く、HDD/DVDレコーダーの売り上げも伸び悩む等デジタル放送普及の足枷になっていると言えよう。そんな中、総務省がコピーワンスの緩和を検討していることが明らかになった。

コピー緩和、9回まで デジタル放送 総務省、関係者に要請へ
 総務省は七日、デジタル放送のDVDなどへのコピー回数制限について、現行の一回から九回に大幅に緩和する方向で調整していることを明らかにした。

 十二日に開かれる情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門委員会がまとめる答申案を踏まえ、同省は放送局や映画製作会社など著作権者にコピー回数の緩和を認めるよう要請する。実現すれば視聴者の利便性が向上しそうだ。

 現行の仕組みでは、違法DVDなど著作権侵害を防ぐため、デジタル放送の電波に特殊な信号をかけることで、DVDレコーダーのハードディスクに録画した番組をDVDなど記録媒体に一回しかコピーできない。

 その上、コピーと同時にレコーダー内のデータが消去されてしまうため、コピーに失敗すると二度と再生できず、視聴者からは「デジタル化で使い勝手が悪くなった」と苦情が出ていた。

 九回までとすることで、家庭でDVDや携帯電話、携帯型音楽プレーヤーなど複数の機器にコピーできるようになる。同省は「個人で十分に楽しめる範囲」と判断した。

 同省は当初、コピー回数を無制限に緩和する方針を打ち出していたが、映画製作会社などの著作権者が難色を示したため、二回以上の複数回でコピー回数を制限することとし、専門委員会の作業部会で具体的な回数について検討を進めていた。

(東京新聞)


個人的にはこれでも不満であるが、コピーワンスに比べれば利便性が向上するのは間違いないだろう。しかし順風満々とはいかないようで。

コピーワンス緩和、回数巡り隔たり・著作権者やメーカーに溝
 デジタル放送番組の録画を1回に制限する「コピーワンス」の緩和問題で、録画回数をめぐる総務省と関係者の調整が大詰めで難航している。緩和の方向は固まっているものの著作権団体や消費者団体などの主張する回数に隔たりがあり、当初予定の7月中に結論が出るかは不透明だ。

 コピーワンスはDVDレコーダーのハードディスク(HD)に録画した地上デジタル放送の番組をDVDに複製すると、元のHDのデータが消える仕組み。アナログ放送をDVDレコーダーで録画してもコピー回数に制限はかからず、利用者からは使い勝手が悪いと不満があがっている。総務省は数回―10回未満の範囲で録画を認めるように関係業界と調整してきた。著作権団体は「1―3回が限界」との立場で、放送局も著作権団体の主張を尊重する姿勢。

(日本経済新聞)


やっぱりと言うべきか。”コピーナインス(?)”が実現するかどうかは不透明だ。しかし腑に落ちない点は、コピーワンスの仕様を決めた筈の総務省が何故緩和を持ち出してくるのかである。当然、大人の事情がある筈なのでちょっと考察してみたい。

素直に考えれば総務省が視聴者の意見を取り入れただけのことだが、利権に繋がらない視聴者の意見など簡単に聞くわけがない(私的録音録画保証金制度の議論を見ても明白)のだ。視聴者の意見も尊重せざるを得ない事態、それは地上デジタル放送(特に地上デジタル放送受信機)の普及が総務省の描いていたプランより遅いからであろう。Dpa(社団法人デジタル放送推進協会)のホームページによると、2007年6月末現在の地上デジタル放送受信機の普及状況は約2243万台だそうである。この数字をどう見るかだが、約2243万台の内デジタルテレビは約1400万台である。日本全国にあるテレビの台数は約1億2000万台と言われているので、10%強に過ぎないのだ。デジタルテレビによる直接受信以外の方法もあるとは言え、2011年にアナログ放送を打ち切るには心許ない数字だ。

もう一つの理由としてはNHKの受信料義務化だろう。今は選挙前でもあるのでこの話題は出てこないが、着々と準備は進めているだろう。義務化すると決まった訳ではないが、今後より具体的な案が出てくれば国民(視聴者)の反感を買うのは明らかだ。ムチだけでなくアメも与える必要があると判断したかも知れない。尤もNHKの受信料を義務化したい理由の一つは地上デジタル放送推進の為(イギリスBBCの受信許可料制度存続もデジタル化の費用捻出が目的の一つ)なので、両者はリンクしているが。

理由はこんなところだろう。

次に”コピーナインス(?)”についてだが、コピーワンスよりはユーザーの立場に立っているという点では評価できる。ムーヴに失敗して録画データが消えてしまう事故はだいぶ減るのではないだろうか。とは言え、コピーワンス×9で孫コピーができるわけではないので全てのユーザーの不満を解消できるとは言い難い。携帯電話や携帯音楽プレーヤーにコピーすると言ってもDVDとはファイル形式が異なるし、携帯電話や携帯音楽プレーヤーの間でも互換性が取れているわけではない。また数年もすれば新しいフォーマットが出てくることも予想される。動画再生をサポートしている全ての携帯電話や携帯音楽プレーヤーをサポートすることさえ難しいと思われるのに、将来の事など保証できないだろう。

HDD/DVDレコーダーは民生機器であるので、新しいフォーマットに柔軟に対応させることは困難だ。将来の新フォーマットを含め柔軟に対処するには、汎用性に優れたPCでの作業が必要になってくる。PCで作業を行うにはレコーダーからファイルをDVDにムーブして、そのファイルをPCで読み込んでフォーマットの変更(再エンコード)を行う必要があるが、孫コピーができない限りそれも無理だ。また携帯電話や携帯音楽プレーヤーで動画再生させる目的じゃなくても、HDD/DVDレコーダーでの編集は細かいところまでできる訳ではないのでPCで作業したい人も多いだろうが、これも無理である。

総務省がコピーワンスを決めたと書いたが、コピーワンスの仕様を決めたのはARIB(電波産業会)である。ARIBには電器メーカーや放送局などが名を連ねており、コピーワンスはメーカーと放送局の自主規制という建前になっている。但し、ARIBの幹部(理事)には総務省のOBが名を連ねており、実質的には総務省の意向が強く反映されたものとなっている。アメリカなどでも放送局の意向もあって制限をかけようとしていたのだが、政府主導であった為に計画を明らかにした時点で国民の反発にあい実現できなかったのだ。総務省はARIBを上手く隠れ蓑にしたのである。

しかし、わざわざ金を出して不便を買うようなことはしないのが当然だ。明らかに視聴者の便宜など二の次にしか考えていない制度が順調に普及する訳がない。前日本民間放送連盟(民放連)会長(フジテレビジョン会長)の日枝久氏が「HDD/DVDレコーダーのCMカット機能は著作権違反の可能性がある」などと発言したように、視聴者あっての放送局という考えは全くないようだ。しかし、地上デジタル放送が普及しなければ困るのは放送局なのだ。サイマルキャスト(アナログとデジタルの混合放送)を続ける必要があるし、地上デジタル放送に特化したコンテンツ制作も難しくなる。困ったら総務省にでも泣きつくつもりだろうが、社会保険庁のようになる可能性だってあるのだ。

(総務省が)地上デジタル放送普及を急ぐ背景としては、周波数帯再編日米欧の主導権争い(第二世代携帯電話と同様)があるだろう。周波数帯を空ける必要があるならテレビ局再編を行えばいいだけのこと(現在の地方局の財政事情を鑑みれば、地上デジタル放送への投資は過度の負担だろう)だし、ブラジルが日本方式を採用したことで第二世代携帯電話のように孤立することもなくなった。地上デジタル放送事業は国(総務省)、テレビ局、国民が三位一体となって負担を分かち合わなければ実現しないものだ。国やテレビ局の論理だけが優先されるのではなく、同様に負担を強いられることになる国民の意見が反映されるのは当然のことだ。度重なる(コピー)プロテクトの変更は国民を混乱させるだけだし、無理に地上デジタル放送の普及を急ぐよりも三者にとって利益のある地上デジタル放送のあり方を議論する方が先だろう。

<参考記事>
YouTube日本語版と著作権と放送業界 あとで読む ブックマークに追加する
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2007-07-11 Wed 01:57:09 | trackback(1) | comment(0) | | PageTop▲
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デジタル放送番組、コピー9回までOK…総務省が要請へ
世界的にも類を見ないほど厳しくて消費用者を考えていないと言われる、デジタル放送のコピーワンス問題。総務省が9回まで出来るようにしろと放送局などに要請するようだ。決定ではないけど、大きな一歩だよねぇ。
2007/07/11(水) 15:40:57 | こんなことあるんだよね
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