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ミッチェル・リポートのナンセンス

Category: 野球

薬物問題の渦中にいるMLB選手と言えばまずバリー・ボンズ選手が思い出されるが、薬物がMLBに広く蔓延している実態が明らかになった。13日に発表されたミッチェル・リポートにはボンズ選手をはじめ、クレメンス投手やペティット投手など計89人の選手が取り上げられ、その中には阪神タイガースのウィリアムス投手や西武ライオンズのカブレラ選手など、日本球界に関係する選手も10人含まれている。

全選手のリストはこちらを参照して頂きたい。”バルコ・スキャンダル”と呼ばれ既に問題になっているバルコ社やシグネチャー・ファーマシー社など企業絡みの選手もいるが、リストの多くはメッツの用具係であったラドムスキー被告のクライアントであった選手達で占められている。

MLBでは移籍は日常茶飯事であるし、ジャーニーマンと呼ばれ多くのチームを転々とする選手も多い。その為、リストの主な所属チームは参考に留めて頂きたいが、あえて挙げるなら東海岸だとヤンキース、西海岸だとジャイアンツとエンジェルズの選手が多い。ミッチェル・リポートを見ても薬物が拡散していく経緯として、チームメートの選手やコーチの紹介によるケースもあり、それがジャーニーマンの存在によって各チームに広がっていく構図なのだろう。

ジョージ・ミッチェル元上院議員はバド・セリグコミッショナーから調査責任者に任命されたが、ボストン・レッドソックスのフロントであって、果たしてどの程度の調査で”切り上げる”かが一つの焦点になっていたが、そんな中で89人もの選手を取り上げたことは一応の評価はできるだろう。日本プロ野球の裏金問題ではろくに調査さえしなかったことを考えれば。但し、MLBの薬物汚染が始まったとされるのは1980年代後半からで、ミッチェル・リポートを見ても1988年から1994年の間では20-30%の選手がステロイドを使用していたと見積もられているし、2003年に行われたテストでは5-7%の選手が陽性反応を示したとされる。それからすれば、少なくとも何百人、下手すれば1000人近くの選手が薬物を使用していたと予想される訳で、この程度の人数では”氷山の一角”という感は否めない。

ただ、ミッチェル・リポート公表の意図は何だろうか。ミッチェルは「選手に処罰を求めるものではない」と言っているが、セリグ・コミッショナーは慎重な姿勢ながらも処分を示唆している。こう言わざるを得ないのは、マスコミを中心にMLBの薬物汚染に対する厳しい視線があるからで、バリー・ボンズという”希代の悪者”をスケープゴートにして薬物問題から視線を逸らすつもりだったセリグにとっては”余計な”リポートだっただろう。

個人的には、このリポートに基づいて処分する必要はないと言うか、このリポートで処分することは不可能であると思う。MLBと選手会が薬物検査に同意したのは2002年のことだし、実際に処分が行われるようになったのは2005年のことだ。また、選手の”容疑”の度合いも様々で、小切手などの”物証”が伴っているケースもあれば、単なる伝聞に過ぎないものもある。薬物使用に関する道義的責任はあるにしても、規定がなかった過去に遡って処分を行うのは”法治国家”とは思えないし、処分は客観的に行われるべきもので、選手の所属球団も偏りを見せているこのレポートが客観的証拠とは言い難いように思える。

問題なのは”過去”ではなく”現在”であると思う。MLBの現在の規定では、1度目の違反で50試合の出場停止、2度目は100試合、3度目は永久追放となっているが、この規定が厳格に適用されているとはとても言えない。また、薬物違反で処分されるのはマイナーの選手が多いが、果たしてそれが実態なのだろうか。ミッチェル・リポートを見る限りにおいては、薬物は比較的”お手軽”な価格で買えるようだが、”ハンバーガー・リーグ”とも呼ばれるように厳しい生活を強いられるマイナーリーグの選手がそう簡単に薬物のお世話になれるのか疑問だ。

今年の8月にタイガースのネイフィ・ペレス選手が3度目の違反で処分を受けたが、その処分は80試合の出場停止であった。先程の処分はステロイドやヒト成長ホルモンの使用に適用されるもので、ペレス選手が使用していた興奮剤に関しては別の規定が設けられているが疑問に思う。ペレス選手が2度目の処分(25試合出場停止)を受けたのは今年の7月のことで、僅か1ヶ月足らずでのことだ。ステロイド等は使用を中止しても暫くは痕跡が残るが、興奮剤は長い時間作用するものではないだろう。つまり、2度目の処分を受けても全く反省せずに使用していたことを意味している訳で、憂慮すべき事だろう。興奮剤でどの程度パフォーマンスが向上するかは疑問にしても、MLBが”performance enhancing drugs”として禁止している薬物を何の反省も無く常用していたことは大問題の筈で、永久追放でもおかしくないだろう。

そもそも、薬物規制に関しては選手会もチームもそしてセリグコミッショナーも乗り気でなかった訳で、薬物追放に本腰を入れたくないのが本音だろう。スター選手が薬物を使用していることを明らかにしても人気や営業にマイナスに作用するだけだからだ。ミッチェル・リポートにおいても”大物”選手の名前が挙げられたが、当然これが全てではないだろう。しかし、いくら乗り気でないにせよ、薬物問題に対して厳しい態度で臨むことを表明した以上は厳正な検査体制や処分を行うのは当然だろう。

ただ、検査体制の強化はともかく、禁止薬物の種類を増やせと言う意見も多いが、これについてはどうだろうか。野球だけでなく他のスポーツでもドーピングに関する規定はどんどん厳しくなっているが、最近では何とチェスでもドーピング検査が実施されるようになった。チェスがスポーツなのかと言われそうだが、アジア大会では正式競技になっている。IOCのオリンピック競技選考のガイドラインの一つとして、世界反ドーピング機関(WADA)の規定に準拠した検査(実際のオリンピックでの基準)をすることが求められていて、野球が公式競技から外れた”表向き”の理由の一つになっている。

良く”毒と薬は紙一重”と言われるように、ドーピングか否かの基準は難しい。槍玉に挙げられているステロイドにしてもホルモンの一種であるし、ステロイド剤は治療にも使われていて、例えば一命に関わるような全身火傷の治癒率が上がったのもステロイド剤のおかげだ。ステロイド剤は少量だと効果が無く、逆に多すぎると副作用を伴い、まさに”毒と薬は紙一重”だ。

”包括的”な規制を取らなければいけない理由としては、どの物質がどういう効果があるかがはっきりとは分からないこと、次々と新たな物質が作られること、現在の検査の精度が不十分なことなどが挙げられる。日本プロ野球で初のドーピング違反となったホークスのガトームソン投手、サッカーのロマーリオ選手が使用していたフィナステリドであるが、日本では万有製薬がプロペシアの名前で販売している発毛剤に含まれている。当然、”有害”なものを服用する訳がない。フィナステリドはWADAの禁止薬物リストでは遮蔽物質の一つとして規制されているが、フィナステリドはα還元酵素阻害剤で、男性ホルモンであるテストステロンをジヒドロテストステロンへ還元するのを阻害する働きがある為だ。恐らく、テストステロン自体を定量するのが困難でジヒドロテストステロンの量からテストステロンの量を推測しドーピングか否かを判定している為と思われるが、髪の毛が増えたから野球やサッカーがうまくなるとは聞いたことがなく本来は規制の必要が無い薬物だろう。

そもそも、ドーピング検査を行う目的は何だろうか?目的の一つとして選手を有害な物質から守ることがある。確かに、ステロイドの大量服用の副作用として急逝する元選手もいて、そういった事態はスポーツにとってもファンにとっても望ましくないのは確かだ。ただ、川崎フロンターレの我那覇和樹選手の件はどうだろうか。ビタミン注射が純粋な医療行為かどうかが焦点の一つになっているが、医療=治療ではなく、予防や症状の緩和も医療の一つであって、少なくともドーピングによるパフォーマンス向上を狙ったものではないのは確かだろう。選手を守るはずであるドーピング規定によって選手の寿命を縮めることがあれば本末転倒であり、闇雲に規制を強化しようとする動きは明らかにスポーツにとってプラスに働くとは思えない。

現在の科学技術をもってしても、ドーピングを100%の確率で摘発することは不可能だ。ドーピングをしていたのにしていないとされるケースばかりに注目が集まりがちだが、逆にしていないのにしたとされるケースも出てくる訳で、ドーピング違反に関しては常にグレーな部分が残されることは、選手や関係者だけでなくマスコミやファンも認識しなければいけないと思う。

大体、キャンペーンを張っているアメリカのマスコミもMLBの薬物汚染に荷担しているように思える。確かに、以前からマスコミによるアンチステロイドキャンペーンは行われてきた。しかし、マグワイア選手、ソーサ選手、ボンズ選手らのホームランの量産を喜んできたのは誰だったのか。マグワイア、ボンズはミッチェル・リポートにも名前が出ているように過去にステロイドの使用の噂があった訳で、当然マスコミも知っていただろう。ホームラン量産の陰にステロイド使用があることを知っているのなら、何故過度のパワー偏向野球を抑制するような記事を書かなかったのか。今は”スモールボール”志向が高まり、以前ほどはパワーに頼った野球ではなくなっているが、マスコミはと言えばMVPの投票などでもパワーヒッターばかりに投票して、イチロー選手やジーター選手のような選手は(マスコミには)高く評価されない傾向が強い。MLBに考えを改めるように求めるのなら、マスコミ自身もその考え方を改めなければいけないだろう。

今回のミッシェル・リポートにより処分されなければいけない人間はただ一人、それは薬物汚染の実態を知りながら無策で放置し続け騒ぎを大きくしたバド・セリグコミッショナーだろう。

とは言え、この騒ぎはそう簡単には収まらないだろう。アメリカ議会は公聴会の実施を決定するなど、ボンズ以外にも法廷に立つ選手は続出しそうだ。日本でも朝青龍が文部科学省に謝罪に行く云々の話があったが、”たかが”スポーツに何故政治家や役人が不必要に干渉するのか。スポーツは政治家や役人の下らないパフォーマンスの道具ではないだろう。

日本でもベイスターズがビグビー選手との契約を白紙にしようとしているし、アメリカでも同様の動きはあるだろう。特に、ヤンキースはミッチェル・リポートを見る限りにおいてはヤンキース改めジャンキーズと言った有様で、名前の挙がった選手達と何事もなかったかのように契約を続けたらファンやマスコミの厳しい追及を受けることになりそうだ。今回の件は”身から出た錆”と言えなくもないが、NFLでも薬物を使用する選手は後を絶たないにも関わらず厳罰に処しているとはとても言えるものではない。”落ち目”になると叩かれるのはスポーツだけでなく政治などでも同様で、今のアメリカでのベースボールの地位を象徴しているように思える。 あとで読む ブックマークに追加する
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2007-12-17 Mon 01:25:57 | trackback(5) | comment(0) | | PageTop▲
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何を今更
 米大リーグの薬物使用実態を調査した「ミッチェル・リポート」が13に日発表され、ロジャー・クレメンス投手、エリク・ガニエ投手、ミゲル・テハダ内野手、アンディ・ペティット投手ら大物現役選手の薬物使用が報告された
2007/12/17(月) 01:44:08 | かまぼんの視点
メジャーの薬物疑惑
SEATTLE MARINERS  (画像はESPNより)  薬物疑惑を調査している ミッチェル・リポート、実名を公表しました。 ★Players listed in the Mitchell Commission report by ESPN この手の報道はかなり脱力感です
2007/12/17(月) 02:01:11 | ブログ らぷぽ
クレメンス投手も薬物使用の疑い
バリー・ボンズ選手をはじめ、アメリカ大リーグでは、筋肉増強剤などを使用したとして批判され、他にもその疑いがある選手を調査しているようですが、いよいよあの大エース・クレメンス投手にも、その疑いがかけられています。
2007/12/17(月) 05:04:48 | つらつら日暮らし
MLB発ドーピング騒動を傍観する
大山鳴動してネズミ一匹……も出ず?
2007/12/17(月) 06:27:01 | にわか日ハムファンのブログ
ある意味偽装
Mitchell Report が予想以上にオオゴトになってしまっている。
2007/12/17(月) 07:48:49 | I LIVE FOR THIS by \"j\"eter
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