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サッカーに”純血主義”は必要か?

Category: サッカー

以前のエントリーでブラッター会長の提唱した”6+5”システムについて触れたが、今度はブラジル人を悪者呼ばわりだ。

ブラッターFIFA会長「ブラジル人の帰化はもう終わりに」
「対策を講じる必要がある」
 ジョゼフ・ブラッターは、選手の安易な帰化を終わりにしたいと望んでいる。ダーバンで行われる2010年ワールドカップ(W杯)予選の組み合わせ抽選会を前に、FIFA(国際サッカー連盟)会長のブラッターは、長年にわたってサッカー界を悩ませている問題について語った。

「われわれは選手の帰化にブレーキをかけるための解決策を見つけ出さなければならない。注意しなければ、ヨーロッパだけでなくアジアにもアフリカにも、ブラジル人が押し寄せてしまう」とブラッター。
「2014年のW杯では、出場国のうち16チームがブラジル人ばかりになってしまうかもしれない。ブラジルには6000万人がサッカーをしているが、自国の代表チームで出場できる選手は11人しかいない」

 他国に帰化した主なブラジル人は、ポルトガルのデコとペペ、スペインのドナト、カターニャ、マルコス・セナ、クロアチアのエドゥアルド、日本の三都主アレサンドロ、チュニジアのクレイトンとドス・サントス、メキシコのジーニャなどがいる。

(C)SPORT

[ スポーツナビ 2007年11月26日 12:22 ]


あまりに脈絡のない発言で意図がよく分からないが、関連記事を探したところBBC SPORTの記事が見つかった。記事を一部引用すると、

Blatter wants EU to allow quotas
Blatter has also warned of the threat of naturalised Brazilian 'invaders' playing for other countries.

Some countries only require players to be resident for two years before handing them passports, such as Arsenal striker Eduardo da Silva, who plays for Croatia.

"If we don't stop this farce, if we don't take care about the invaders from Brazil towards Europe, Asia and Africa then, in the 2014 or the 2018 World Cup, out of the 32 teams you will have 16 full of Brazilian players," he said.

"This is a real, real danger. Two years is definitely not enough. In Brazil there are 60 million football players; every third person kicks the ball."

[ Monday, 26 November 2007, 10:48 BBC SPORT ]


引用したのは、スポーツナビの記事に対応する部分だけだが、記事の主旨はブラッター会長が”6+5”システム導入のためにEUに対し”例外”を認めろと要求しているという話で、それに付随してブラジル人の話が出たようだ。BBC SPORTの記事の内容を含めて、ブラッター発言を考えてみたい。

それにしても”invader”とは酷い言い方だ。ご存じのように”invader”は侵略者という意味だ。尤も”foreigner”も”よそ者”という意味合いが強い言葉で、外国人を表す言葉には良いニュアンスがないが、ブラジル人選手達を”invader”呼ばわりするのはあまりに失礼すぎるだろう。

確かに、日本を含め世界中にブラジル人プレーヤーはいて、ブラジルのサッカーのレベルの高さ、層の厚さを物語っているし、日本においても古くはラモス瑠偉選手、最近では三都主アレサンドロ選手、田中マルクス闘莉王選手など帰化する選手がいるのは事実だ。しかし、帰化する選手が目立つのはサッカーだけではなく、卓球やバドミントンでは中国人選手が、スピードスケートのショートトラックでは韓国人選手が、陸上ではアフリカ出身の選手が帰化して、他国の代表としてオリンピック等の大舞台に出場することは珍しくない。

ただ、これらの選手達が帰化する主な理由は、母国では競争が厳しく代表枠に入れない為、層の薄い外国で代表となることが目的だろう。一方、ブラジルのサッカー選手達が帰化する主な理由としては、生活の糧として(外国人枠に囚われずに)プレーする為であって、(特にヨーロッパでは)その国の代表としてプレーすることが目的ではないように思える。

ブラジル人プレーヤーであれば、やはりセレソンのユニフォームを着てプレーすることが憧れだろう。ただ、セレソンでなくても代表選手としてプレーできることは選手にとって誇りであることは間違いなく、そういう選択をする選手がいるのは確かだ。しかし、帰化することは選手にとって容易な決断ではなく、そこにはサッカー以外の問題もあるだろう。”BRICs”と呼ばれ経済発展が著しいブラジルではあるが、まだまだ先進国との経済格差は大きいし、治安の問題等、今後の自身や家族の生活を考えた上での決断でもある筈で、単にサッカー選手として稼いで名を残す為ではないだろう。

そもそも、代表選手=その国の国籍を持つ選手なのだろうか。サッカーを始め、多くのスポーツでは国籍に縛られるのが普通だが、ラグビーの場合は少々違う。国際ラグビーボード(IRB)の規定によれば、所謂日系2世、3世であっても(帰化せずに)日本の代表になれるし、3年以上連続して居住しプレーすればその国の代表になれる(但し、他の国での代表歴がないことが条件)。どうしても帰化が気にくわないと言うのなら、こういった方法もあると思う。

この方法の難点としては、代表チームがリーグと強くリンクしてしまうことで、国の代表と言うよりはその国のリーグの代表がプレーしている感覚になってしまうことだろう。また、最近はEU外の外国人選手の青田買いが多い。これは、リーグの外国人枠に関する規定によるところが大きいが、もし帰化しなくても代表になれるのなら、代表強化の為にもなり、この流れが更に加速することは言うまでもないだろう。プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラなどのヨーロッパのビッグリーグ対中東のオイルマネーの”札束対決”になってしまう可能性は否定できない。

資金力競争や、ワールドカップで勝つためだけの安易な帰化政策は確かにサッカーの発展にとって望ましくないことだと思う。ただ、帰化に関してはその国の政治や人権政策に関わってくる問題で、FIFAとして安易に口出しすべき問題ではないだろう。帰化に関わる一番の問題は(旧宗主国との関係を偽っての)二重国籍問題だろうが、この問題を”純血主義”によって解決しようと言うのは余りに強引すぎるだろう。

ブラッター会長の提唱する”6+5”システムは明らかにG-14と呼ばれるヨーロッパのビッグクラブを狙い打ちにしたものだ。確かに、G-14のクラブには外国人選手が多いが、外国人選手が多いからその国のクラブらしくないと言うのは余りに乱暴な論理だと思うし、現実はむしろ逆の方向に向かっている。クラブチームは外国人選手が多いからワールドカップについては純粋に国同士の対決にしたいと言うのであれば、大会の位置付けの点からも理解はできる。ただ、ブラッター会長の狙いはクラブチームからも代表チームからも外国人選手を排除しようとする”純血主義”のように思える。

サッカーに限らずスポーツはボーダーレスなものだと思うし、ヨーロッパや南米以外のサッカー後進国の実力向上を図っていくのであれば、人的交流は不可欠なことだ。最近、イタリアで不幸な出来事があったが、ただでさえサッカーに政治や民族問題などが色濃く反映される風潮にある今、”ナショナリズム”を煽ることがサッカーの発展に繋がるとはとても思えない。

ブラッター会長は先日行われたEURO2008の予選について言及している。予選E組の最終戦でイングランドはクロアチアに2-3で破れ予選敗退となったが、これはおかしいと言うのだ。クロアチアにはブラジルから帰化したエドゥアルド・ダ・シルバ選手がいるが、エドゥアルド選手はクロアチア在住とは言えアーセナルの選手であってクロアチアリーグでプレーしている訳ではない。

ヨーロッパ諸国の中には2年間居住すれば代表資格が与えられる国もある。確かに2年間と言うのは短いのかも知れない。とは言え、クロアチアが勝ったのはエドゥアルド選手だけのせいなのか。一人抜きん出た選手がいるだけで勝てるほどサッカーは甘くはないし、クロアチアがイングランドを破ることが大番狂わせと言えるのか。クロアチアのサッカー関係者に失礼だろう。

また、ブラッター会長はEU改革条約(リスボン条約)に対して再三再四いちゃもんをつけているが、これもいかがなものか。ボスマン判決に代表されるEUでの国籍の考え方は他の国とは大きく異なるもので、万国共通のルール作りを考えた場合は相容れないところがあるのは確かだ。ただ、EU改革条約はあくまでEUの話であるし、紆余曲折を経てようやく発効に漕ぎ着けようとしているようにデリケートな部分も多い。”たかが”サッカーの一団体の会長が、EUに対して強権的態度を取ることは許されることなのだろうか。

皮肉なことに、G-14はもとよりEUも”アンチブラッター”で団結していて、”6+5”システムの導入にしても長い年月を費やすことになりそうだ。選手の移籍に対する何らかの歯止め策は必要にしても、現実とあまりにかけ離れたプランを強引に押し通そうとすることがサッカー界にプラスになるのだろうか。サッカーは一独裁者の為のものではない


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ブラッター会長は北の湖理事長なのか あとで読む ブックマークに追加する
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2007-11-28 Wed 02:41:32 | trackback(0) | comment(1) | | PageTop▲
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2007/11/28(Wed) 06:52:35 | [ EDIT ]














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