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負けに不思議の負けなし

Category: その他のスポーツ

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは野村克也東北楽天ゴールデンイーグルス監督の有名な言葉だが、今回は野球ではなく陸上競技の話だ。

小林祐梨子 実業団登録問題で訴訟も
 陸上の女子千五百メートル日本記録保持者の小林祐梨子(18=豊田自動織機)の実業団登録問題が、訴訟に発展する可能性が出てきた。小林が日本実業団連合、東日本実業団連盟を相手に選手登録を求め、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てた問題は、近日中に双方が調停に入る。一方で、合意できなかった場合、ある関係者は「本人が納得できなければ可能性がないとは言えない」と話し、提訴に踏み切る考えがあることを示唆した。小林は今年4月に豊田自動織機に入社。同社の社内留学制度を利用して岡山大に進学したが、勤務実態がないなどの理由で実業団登録は認められていない。

[2007年10月15日 スポーツニッポン]


小林選手の登録問題が揉めていたことは知っていたが、ここまで泥沼化していたとは…。

小林祐梨子選手は全国高校駅伝の強豪校として有名な須磨学園高校出身で、高校駅伝では三年連続区間賞を獲得した。高校生ながら横浜国際女子駅伝の代表に選ばれ、スーパー陸上女子1500mで日本記録(4:07.86)を樹立、ドーハアジア大会で銀メダルを獲得するなど、目覚ましい活躍で、久々に現れた女子中距離のホープだ。小林選手の特徴は、蹴りの強さとダイナミックで美しいフォームで、いい意味で日本人離れした走りと言えるだろう。ただ、小林選手の日本記録であっても、世界陸上大阪大会の標準記録A(4:06.50)を突破できないほど日本と世界の差は大きく、1500mで世界と互角に戦うにはまだまだタイムを縮める必要がある。

そんな小林選手だが、日本選手権で吉川美香選手に敗れ世界陸上代表を逃すなど、最近はスランプのようだ。どんな選手でも調子のいい時期悪い時期はあるものだが、登録問題のゴタゴタが試合に集中できない状況を作っていると考えられ気の毒に思う。まあ、負けたことの言い訳にはならないことであるが。

それはともかく、この問題がどうしてこんなにこじれてしまうのか理解できない。簡単に結論が出る話だと思うのだが。筆者の判決(?)は後回しにさせて頂いて、まずは関連する話をしていきたい。

小林選手は豊田自動織機に入社し、社内留学制度によって岡山大学に進学した。これは、練習は母校の須磨学園高校で行うこと、大学で勉強することを両立することを目的とした上での選択だが、彼女のようなケースは果たしてレアケースなのだろうか。日本陸連に登録されている選手は数多くいるが、TBS世界陸上のホームページで日本の超人BIG5として紹介されている選手たちを中心に見ていく。

まず、社会人と大学生の二足の草鞋を履いている(た)選手だが、一番有名と思われるのは男子ハンマー投げの室伏広治選手だ。室伏選手はミズノ所属であるが、同時に中京大学大学院の研究生でもある。博士号を取得したことは報道されたのでご存じの人も多いと思う。他には、末續慎吾選手(ミズノ所属)は東海大学大学院修了、澤野大地選手(ニシ・スポーツ所属)は日本大学大学院修了、BIG5以外にも社内留学制度等を用いて大学院に行っている選手はいる。

大学と大学院は違うとか年齢の問題があるのではないかという疑問はあるだろうが、実は全く問題ない。例えば、関西学生陸上競技連盟の規約によると、第4章の学生競技者資格として、

第16条 学生競技者は、次の条件を満たさなければならない。
1.学生競技者は、本連盟加盟校の学生でなければならない。
2.学生の範囲は、学校教育法第56条に定めた学生及び第57条の専攻科、別科の学生並びに第67条の定めによる大学院生とする。ただし、第70条第5項に定めた高等専門学校の学生は、入学後3年次を経たものに限る。
3.前項の加盟校競技者は、その在籍期間中登録することができる。

第17条 次の各項に触れる者は、学生競技者としての資格を失う。
1.学生競技者精神に反する行為をした者。
2.アマチュア精神に反する行為をした者。
3.学校教育法第55条、同第69条第2項、同第70条第4項の修業年限を超過した者。ただし、短期大学、高等専門学校卒業後、大学所定の手続きにより編入学した者は、この限りではない。


とある。実際の運用がどうなっているかは分からないが、規約上は大学院生であっても学生競技者であるし、年齢制限はない。では、何故学生競技者登録しないのかという話になるが…。

次に、小林選手のように母校で練習している選手だが、末續慎吾選手は東海大学で、池田久美子選手(スズキ所属)は福島大学で練習している。他にも母校で練習している選手はいるし、所属(チーム)の練習場ではなく独自の練習場で練習している選手もいる。これには明確な理由があるのだが…。

また、小林選手の実業団選手登録を拒む理由となっている「勤務実態がない」云々であるが、例えば為末大選手(アジアパートナーシップファンド[APF]所属)、澤野大地選手はプロ選手なので、所属先の企業と所属契約を結んでいるだけでそこで勤務している訳ではないだろうし、新谷仁美選手、脇田茜選手(共に豊田自動織機所属)は小出義雄代表率いる佐倉アスリート倶楽部で活動しているので会社(豊田自動織機)にはたまに顔を出すのがせいぜいだろう。BIG5の残りの3人(室伏選手、末續選手、池田選手)も企業の枠に囚われない活動をしていて実質的にプロ選手と言えるし、何より勤務実態云々が陸上競技の選手としての評価にどう関係あるのか大いに疑問だ。

長々と書いてきたが、要は小林選手のケースは決してレアケースではないと言うことだ。

では、このようなケースが多くなっている背景は何だろうか。その大きな理由は、所謂企業スポーツが冬の時代を迎えていることにある。「バブル景気」がはじけて以降各企業においてスポーツ部の廃部が目立ったが、当然陸上部も例外ではない。勿論、今も陸上部はあるのだが、実際は陸上部と言うよりは駅伝部に近いところが多い。その理由は大きく二つあると思われ、まず企業の広告塔としての宣伝効果だろう。日本において陸上競技は人気スポーツとは言い難い(競技人口は多い)と思うが、マラソンや駅伝となると話は別で、TV中継もあるし視聴率もそれなりに取れるし沿道で応援する人たちも多い。一方、ロードレース以外の陸上競技大会となると、TV中継は少ないし(深夜に回されることが多く)視聴率も取れない、スタンドを見回してみれば往年の川崎球場が思い出されるほどの閑古鳥という有様も日常化している。陸上部を持つ企業であれば、ロードレースに力を入れたくなるのも当然の状況だ。

もう一つは設備投資の問題で、フィールド種目であればそれ専用の設備が必要になるし、トラック種目であっても特に短距離選手はロードでの練習という訳にはいかないだろう。(総合)陸上部にしようとすればそれこそ専用の陸上競技場が必要になるが、今の企業にそれだけの余裕はないだろうし、それに見合うだけの(宣伝)効果は得られないだろう。また、陸上部=駅伝部となっている状況で、監督(指導者)は殆ど長距離専門であろう。こういった状況から、短中距離やフィールド種目の選手は所属チームの設備では練習できず、母校などで練習せざるを得ないのだ。

更に、最近は陸上部も以前のような大所帯は少なく少数精鋭化している。一人の選手に対する指導を充実させる点において少数精鋭は悪いことではないが、チーム内におけるライバルの存在もまた実力を高める大きな要因になるのも事実だ。前述の佐倉アスリート倶楽部は、豊田自動織機所属の選手とアルゼ所属の選手が合同で練習していて、今後このような形は増えるのではないだろうか。

話を小林選手の件に戻すと、社会人(実業団)が無理なら学生でやればいいじゃないかと言われそうだが、それは難しいだろう。まず、小林選手は日本陸連のプロフィールを見ても豊田自動織機で登録されているし、豊田自動織機女子陸上競技部のページにも小林選手のプロフィールが載っていて、彼女が豊田自動織機の一員であることは間違いない。日本陸上競技連盟(日本陸連)の登録規定によると、

第6条 (二重登録の制限)
 同一年度内において2つ以上の加入団体から登録することはできない。また、2つ以上の都道府県陸協に登録することもできない。

(以下略)

とあるので、小林選手の登録先が豊田自動織機になっている以上岡山大学で登録することは不可能だ。更に、資格にある「アマチュア精神に反する行為をした者」をどう解釈するかも問題になるだろう。実業団の選手が大学(大学院)に進学しても、当然所属先から給料などは出る筈だ。「アマチュア精神=一切の金品の受け取りに絡まない」と解釈するのなら、実業団の選手が学生競技者として登録するのは不可能だろう。

また、上述の通り「勤務実態がない」云々は限りなく言いがかりに近いと言えるだろう。実際、日本実業団陸上競技連合の登録規定を見ても、

(登録者の要件)
第2条 登録者は、該事業所に4月1日現在の在籍にして、引き続き勤務の見込みのある者とする。(その年度の新入社員を含む)

とあるだけで、勤務実態を問うような事項は見あたらない。大体、実業団選手登録されている選手達の殆どは、陸上競技をするために採用されているのであって、所謂実務を行うために採用されている訳ではないだろう。仮に、勤務実態云々を厳しく適用したら、プロ選手は勿論のこと、トップ選手の多くは試合に出られないことになるだろう。日本実業団陸上競技連合としては、渋々容認しているのだろうが…。

小林選手の選手登録を拒む理由は、恐らく他愛のないことだろう。小林選手は大学進学を発表してから実業団入りを表明した(通常逆が多い)が、それが実業団を踏み台にして大学進学したように感じて、日本実業団陸上競技連合(東日本実業団陸上競技連盟)のお偉いさんにとっては面白くないのだろう。ただ、どんな選手であっても一生涯陸上選手であり続けることは不可能で、いずれは引退の時期が来る。生涯設計の上で大学(大学院)進学を考えるのも当然のことで、順序の後先に意味はないだろう。「勤務実態がない」云々は小林選手の登録を拒むだけの明確な理由になり得ないことは明白であり、”日本実業団陸上競技連合(東日本実業団陸上競技連盟)は速やかに小林選手の選手登録を認めよ”というのが筆者の判決だ。

とは言え、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)がどういう裁定を下すかはわからないし、裁定を拒む可能性もあるだろう。と言うのは、この案件がJSAAが仲裁する必要のあることとは思えないからだ。ご存じのように日本の陸上競技を統轄する組織としては日本陸連があるが、何故日本陸連が問題解決に乗り出さないのか理解できない。日本陸連は日本の陸上競技を統轄する組織である以上、下部の組織である日本実業団陸上競技連合や東日本実業団陸上競技連盟に対して指導することは決して越権行為ではない筈だ。

日本陸連の役割は色々あるが、選手が実力を出せる環境作りもその一つだろう。それなのに傍観を決め込むのは日本陸連の取るべき態度なのか。先日の世界陸上大阪大会の結果は日本陸連にとって不本意な結果だったと思うが、選手が力を出せる環境を作れないのだからそれも当然のことだろう。まさに、「負けに不思議の負けなし」だ。

小林選手の所属する豊田自動織機は11月3日の東日本実業団対抗女子駅伝にエントリーしているが、そのメンバーに小林選手が含まれていることが物議を醸している。東日本実業団陸上競技連盟は「小林選手を走らせれば失格にする」と息巻いているが、小林選手は立派な豊田自動織機所属の選手だ。走りに集中できる状態ではないだろうが、是非我々に素晴らしい走りを見せてもらいたいものだ。 あとで読む ブックマークに追加する
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2007-10-20 Sat 02:41:06 | trackback(0) | comment(3) | | PageTop▲
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日本陸連は指導できないのでは

Posted by ののの

はじめまして、こんにちは。ご意見を興味深く拝見しました。小林選手が出場できないのは残念です。

ところで、

> 何故日本陸連が問題解決に乗り出さないのか理解できない。日本陸連は日本の陸上競技を統轄する組織である以上、下部の組織である日本実業団陸上競技連合や東日本実業団陸上競技連盟に対して指導することは決して越権行為ではない筈だ

実業団連合関係は日本陸連の下部組織ではなく、協力団体です。マスターズも同様です。実業団登録の規定について、指導することはできないのではないでしょうか。
2007/11/01(Thu) 09:27:12 | [ EDIT ]

Posted by Lammtarra

コメントありがとうございます。

確かに、日本実業団陸上競技連合等は日本陸連の直接の傘下とは言えないでしょうが、日本陸連が「日本における陸上競技界を統轄し、代表する団体」である以上は、そこに指導を行うことは可能だと思います。

似たような例でプロ野球のコミッショナーについてですが、野球協約第8条に「コミッショナーは、日本プロフェッショナル野球組織を代表し、これを管理統制する。」とあります。ただ、根来泰周コミッショナー(代行)は「コミッショナーには権限がない」とか言って、コミッショナーの権限を強化するように野球協約を改正しようという時期もありました。

確かに、「統轄」や「統制」と言っても曖昧で、どこまでその権限が及ぶかは解釈が難しいことではあり、根来コミッショナーとしては(法律家らしく)その権限を明確にしようという狙いはあったのでしょう。

ただ、予期せぬトラブルは起こりうることで、その時に”想定外のトラブルで権限がないので知らない”では、「統轄」や「統制」などできないでしょう。トラブルを解決してこそ、「統轄」や「統制」と言えるのではないでしょうか。

解釈が難しいことではありますが、個人的には日本実業団陸上競技連合等に日本陸連が指導を行うことは越権行為ではないと思っています。
2007/11/01(Thu) 22:50:25 | [ EDIT ]

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Posted by

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/11/02(Fri) 01:02:52 | [ EDIT ]














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