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ブラッター会長は北の湖理事長なのか

Category: サッカー

まずは、以下の記事を読んで頂きたい。

先発に自国選手6人以上義務付けへ
 国際サッカー連盟(FIFA)ゼップ・ブラッター会長(71)が5日、「ナショナル・プレーヤー枠」の導入をぶち上げた。各クラブの先発メンバーに、6人以上の自国選手の起用を義務付けるというもので、10-11年シーズンから取り入れたい意向だ。

 95年12月のボスマン判決以降、欧州連合(EU)圏内ではサッカー選手も労働者と位置付けられ、移籍の自由が認められている。例えば、欧州チャンピオンズリーグ第2節(2、3日)32チームの先発選手をみると、6人未満のチームは19クラブあり、アーセナルとインテルは0。ビッグクラブは資金力に物を言わせ、他国の優秀な選手を買い集めているのが現状だ。

 ブラッター会長はファンの心情を考慮し「サッカー選手と労働者を同列には扱えない」と主張。EUに、サッカー選手の適用除外を求める考えを示した。来年5月のFIFA総会で、同制度を諮る方針。

(2007年10月7日9時44分 日刊スポーツ)


一筋縄でいくとは思えない内容で、FIFAが強行するようなことがあれば泥沼化は必至だろう。記事の元ネタはFIFAホームページにあるBlatter: Football needs autonomyと思われるので、こちらの内容と合わせてブラッター発言について考えてみたい。

まず、日刊スポーツの記事にもあるように、問題になるのはボスマン判決(ボスマン裁定)との整合性だ。ボスマン判決とは1995年12月に欧州司法裁判所で出された判決のことで、
  • クラブとの契約を満了した(EU加盟国の市民である)選手が、他の(EU加盟国の)クラブに移籍するのを妨げてはいけない
  • (EU加盟国の市民である)選手の国籍に対して制限を設けてはならない(EUの労働規約の適用)
の二項目が大きな柱だ。ブラッター構想は上記の二項目目と相反することになる。

過去の判決を反故にしてまで導入するからには、それなりの理由なり背景なりがあってしかるべきだと思うのだが、FIFAの記事を見ても全く見えてこない。サッカーにおける自治権をより強いものにしたいという話なのだが、それが何故”6+5”システムの導入に繋がるのか、このシステムを導入すれば何故グラナダ74問題(と同様のケース)を回避できるのか全く謎だ。

グラナダ74問題について触れておくと、一言で言ってしまえばチーム買収劇なのだが、チーム買収は日常茶飯事のサッカー界で単なる買収が大きく問題視されることはない。それが何故大騒ぎになるかと言えば、グラナダ74は元々スペイン地域リーグ3部のチームだったのだが、そのグラナダ74がリーガ・エスパニョーラ2部のシウダ・デ・ムルシアから約2000万ユーロ(推定)で2部に所属する権利を買ったことが報じられ、それを問題視したFIFAとUEFA(欧州サッカー連盟)が撤回するように求めた経緯がある。結局、シウダ・デ・ムルシアはグラナダ74に吸収合併(形式上はシウダ・デ・ムルシアの後継チームがグラナダ74)され(新)グラナダ74としてリーガ・エスパニョーラ2部に所属することが決まり、シウダ・デ・ムルシアは新しくシウダ・デ・ロルキとしてスペイン地域リーグ3部から再出発することになった。

Jリーグでも過去に横浜フリューゲルスが横浜マリノスに吸収合併されて横浜F・マリノスとなり、フリューゲルスの意思を汲むチームとして横浜FCがJFLからスタートしたことがあったが、突然チームが消滅してしまうのは、当該チームのサポーターにとっては勿論のことリーグ全体を考えても不幸なことだ。横浜FCは念願のJ1昇格を果たしたが今年のチーム成績は残念な限りだ。

”6+5”システムを導入した場合、チーム合併後の外国人枠には頭を悩ませることになろうが、自国選手であれ外国人選手であれチームを去らなければいけない選手が出るのは当然のことで、”6+5”システムによってチームの買収に躊躇したりすることはないだろう。

では、制度導入の目的は何だろうか。それは、欧州のビッグクラブ、とりわけG-14と呼ばれるヨーロッパビッグクラブ連合体の弱体化だろう。G-14は2000年に創設され現在18チームが加盟しているが、FIFA及びUEFAに対する圧力団体になっていて、FIFAやUEFAの提示する改革(改悪?)案に対して反対の立場を表明することが多く、FIFA(UEFA)にとっては目障りな存在だろう。

ボスマン判決がサッカー界にもたらしたものは負の側面も大きい。選手に逃げられないようにする為に年俸は高くなり、ビッグクラブがこぞって各国のビッグネームを掻き集めるようになって(実質的な)移籍金の高騰も招いた。その結果、経営破綻するチームも多くなり、ビッグクラブと中堅以下のクラブの実力差が以前よりも大きくなった。特定のチームのみが優勝争いをする構図は、リーグ全体を考えた場合好ましいものではないのは確かだ。

ただ、”6+5”システムで所望通り(?)弱体化するかどうかは微妙だ。確かに、外国人に多く頼っているビッグクラブにとっては打撃は大きく、各国の代表選手をずらりと揃えたスター軍団を形成するのは困難になるし、そのことがチームの価値を下げることになって資金力に影響を及ぼし、結果としてビッグクラブと中堅以下のクラブの差が小さくなる可能性はあるだろう。

最近、A・マドリードの下部組織に10歳の宮川類選手が入団したことが話題になったが、バルセロナに所属するメッシ選手の成功例もあって、スカウティングの若年化が進んでいる。その背景としては、移籍金の高騰もあるが、リーガ・エスパニョーラの事情も見え隠れする。リーガ・エスパニョーラは外国人枠に厳しい方だが、下部組織から育てた選手に対しては例外規定が適用されるようで、各チームがジュニア育成に熱心になるのも当然だ。ただ、リーガ・エスパニョーラのクラブがスカウトしてきた若い選手をプレミアリーグのクラブが強奪していくケースが目立つのはどうかと思うが。

ボスマン判決の弊害として若手が育ちにくくなったとはよく言われることで、そういった面では各クラブがジュニア育成に力を入れ(”6+5”システムにより)出場機会が増えるのは良いことだ。ただ、少ない牌の奪い合いを招くのは確実で、選手の青田買いが今以上に激化することにより”実弾”合戦になる可能性が高いだろう。そうなれば、結局ビッグクラブが有望な人材を多く獲得することになり、クラブ間の格差縮小には繋がらないだろう。プロである以上活躍した選手が大金を手にするのは結構なことだと思うが、いくら有望とはいえ活躍するか分からない選手に大金を投じるのは、経営が苦しいと言いながら裏金まで投じているどこかのプロ野球のようでとても健全な姿とは思えない。

G-14の弱体化を図りたい理由としては、ヨーロッパだけの問題でなく世界のクラブチームの戦力均衡化も目的だろう。トヨタカップを吸収する形でFIFAクラブワールドカップが始まったが、今一つ盛り上がりに欠ける状態だ。歴史の浅い大会で仕方ない部分はあるが、ワールドカップと言えど実質的にはヨーロッパと南米のクラブ対決であることやUEFAチャンピオンズリーグの覇者となることの方がヨーロッパではステータスが高く、ヨーロッパのクラブが本気ではないことがあるだろう。世界のトップ選手の多くがヨーロッパの(ビッグ)クラブでプレーしていることを考えれば当然なのだろうが、サッカーの普及・発展を考えればヨーロッパと南米のレベルが突出し、有力選手が皆ヨーロッパに集まってしまう状況は決して好ましくない。

ただ、”6+5”システムによって均衡化が図れるかと言えばそうではないだろう。トップ選手達が自国でプレーすることが多くなると予想され、”一時的”にはレベルアップするかも知れないが長い目で見てレベルアップに繋がるかと言えば明らかに違うだろう。”6+5”システムが定着すれば外国人枠の多くは南米の選手が占めることになることになるのは確実で、他の大陸の選手達は自国でプレーすることになるだろう。各大陸間のレベルに差がないのならまだしも、前述のように大きな差があるのが実情だ。レベルアップを図るには選手がより高いレベルでプレーすることが必要な筈だが、その機会が失われるのは確実でヨーロッパ、南米とそれ以外の大陸のレベル差が拡大していく方向に働くように思える。

何より、選手の移籍を国籍で縛ることがサッカーの発展に繋がるのか疑問だ。先日、RFEF(スペインサッカー連盟)がリーガ・エスパニョーラに所属するアフリカ人選手をEU圏の選手として扱う制度を承認したことが明らかになった。2003年4月に発効したコトヌ協定に基づく措置だ。コトヌ協定とはアフリカ・カリブ海・太平洋(ACP)諸国とEU諸国間の特恵貿易と開発援助に関する協定のことだが、人権や政治問題等も含んでいて、EU諸国とACP諸国の関係を包括的に規定した内容となっている。アフリカ選手のみなのはバルセロナのエトー選手などアフリカ出身選手が増えている為で、将来的にはカリブ海・太平洋諸国の選手もEU圏の選手扱いになるだろうし、2005年4月には欧州司法裁判所でEUでの労働条件について協約を締結している国の選手にもボスマン判決が適用されるという判決が出ていて、ロシア等の旧東欧諸国の選手もEU圏の選手扱いになる可能性もある。ここまで範囲が広がってしまうと外国人枠は意味をなさないだろう。

他にも一定期間居住し(EU加盟国の)市民権を得た選手の扱い(当然ボスマン判決の適用対象になる)や南米の選手によく見られる(詐称によって)二重国籍を獲得した選手の問題もあるし、選手の国籍に拘ることはむしろ新たな不平等・不均衡の元になるように思う。

確かに、ボスマン判決に見られるEUの人権政策は行き過ぎの感はあり、ワールドワイドなルール作りを考えた場合色々難しい面があるのは事実だろう。ただ、サッカー選手は選手であると共に一市民であるのだからEUの規定の対象になるのも当然のことで、それをサッカーにおける自治権の侵害などと言うのは不見識というべきか、単に強権を保持したいFIFAのわがままに過ぎない。現在の状況を招いたのはEUの政策だけの問題ではなく、FIFAの行き過ぎた商業主義にも原因はあるのは確かで、無責任な責任逃れはどこかの理事長のようで非常に見苦しい あとで読む ブックマークに追加する
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2007-10-11 Thu 01:59:41 | trackback(1) | comment(0) | | PageTop▲
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2007/10/11(木) 19:38:28 | フィールド上の些事争論
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