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Jリーグ秋春制を考える

Category: サッカー

度々出てきている話だが。

協会がJ秋春制プラン提示 夏までに結論

ブログの更新が滞りがちなこともあり、この話題には触れてこなかったが、ネット上の議論を見ると感情論が先行している感もある。いい機会なので秋春制について少し考えてみたい。

春秋制か秋春制かを決める大きな要因として、一つは気候の問題がある。北欧やロシアのリーグは春秋制であり、アフリカや中東のリーグは秋春制である。これは、北欧やロシアの冬、アフリカや中東の夏がサッカーをするには厳しい気候であると考えているからであろう。

しかし、ロシアのチームが集中しているモスクワ近郊はともかく、北欧は実はイメージ程は寒くはない。ヘルシンキ、オスロ、ストックホルムはケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属するが、ストックホルムは温帯気候である西岸海洋性気候(Cfb)に分類されることもある。デンマークリーグは長いウィンターブレークがあるが、首都のコペンハーゲンは西岸海洋性気候である。日本の東北地方は亜寒帯湿潤気候(Dfa)に属するとされているが、近年は都市化の影響で温かくなっていて、Jリーグのチームのある都市で確実に亜寒帯湿潤気候(Dfa)に属すると言えるのは実は札幌だけである。もし、札幌で冬季に試合を行うとすれば札幌ドーム開催になるだろうし、気温的にはウィンターブレークを取れば秋春制は不可能とは思えない。

一方、アフリカや中東は秋春制であるが、これは砂漠気候(BW)、ステップ気候(BS)の乾燥帯であり、気温の日較差が大きく夏場の最高気温は40度を超えることも珍しくないという気候によるところが大きい。それに比べれば日本はと思われるが、実は日本の夏場の平均気温はカイロと大差なく、しかも東南アジアに匹敵する湿度に、都市化に伴うヒートアイランド現象による熱帯夜も加わるのだから、夏場の試合は避けたいという声が上がるのは当然であろう。

日本が悩ましいのは、できれば夏も冬も試合を避けたい気候であることだ。要は気温の年較差が大きい訳だが、このような地域は世界的にあるのか検討してみる。

まず考えられるのが、上述した乾燥帯だ。乾燥帯は日較差が大きく、年較差は小さいところが多いとは言え、カイロなどは緯度的には低緯度ではないので年較差はそれなりにある。実際、サハラ砂漠では最低気温が氷点下になることもある。ただ、昼間は温かいのでデーゲームなら何の問題もない。

しかし、乾燥帯は比較的高緯度な地域にも分布している。モンゴルの首都ウランバートルはステップ気候(BS)に属するが、冬の平均気温は-20度を下回る。一方、夏は30度以上になることもあるが、モンゴルの夏は短く湿度も低い。当然、冬場のゲームは考えられず、モンゴルのニスレル・リーグは春秋制だ。

次に、年較差の大きい気候となると温帯湿潤気候(Cfa)、亜寒帯気候(Dfa、Dwa、Dsa)と言ったところになるが、夏も冬も難しいとなると国内に両者の気候区分を持ち、且つ両者に(チームを設置できるレベルの)都市が存在する国になる。このような気候は大陸の東海岸に多く、該当するのは日本、韓国、中国、アメリカ(+カナダ南部)で、温帯湿潤気候(Cfa)に属するのは東京、大阪、釜山、上海、ニューヨーク、アトランタ等、亜寒帯冬季小雨気候(Dwa)に属するのはソウル、北京等、亜寒帯湿潤気候(Dfa)に属するのは札幌、シカゴ、デトロイト、トロント等である。

これらの国のリーグ、日本のJリーグ、韓国のKリーグ、中国の中国超級リーグ、アメリカ・カナダのメジャーリーグサッカー(MLS)は全て春秋制で行われている。中国や韓国に関しては北京やソウルという大都市が亜寒帯に属すること、更に韓国は国土の大半は亜寒帯に属するのが理由だろう。

一方、アメリカの場合は違うだろう。アメリカでは冬場でも屋外のスタジアムでアメリカンフットボールの試合が行われている。ニューイングランド・レボリューションの本拠地ジレット・スタジアムはニューイングランド・ペイトリオッツと共用、シアトル・サウンダーズFCの本拠地クエスト・フィールドはシアトル・シーホークスと共用と言うように同じスタジアムを使っていることが多く、シーズンができるだけ重ならないようにする必要がある。但し、MLSはエクスパンションの条件をサッカー専用スタジアムを持つことにしたようで、NFLが佳境に入る12月中旬-2月中旬辺りをウィンターブレークにすれば秋春制も考えられるので、将来的には秋春制に移行するのかも知れない。

しかし、日本で問題なのは寒さじゃない雪なんだと言われるとそれまでなので、雪についても調べてみる。世界中に豪雪地帯と言われる場所は色々あるが、それらは山岳地形が多く、トップリーグのスタジアムがあるような都市は少ないのが現実だ。ソウルや北京は冬の降水量が少ない為、雪はさほど降らない(その分放射冷却が起こりやすくなり寒くなる)し、シカゴにしても年平均降雪量は1mちょいで仙台より多少多い程度だ。但し、NFLのバッファロー・ビルズの本拠地であるバッファローは新潟市と同じ位の年平均降雪量であるし、MLSだとモントリオール・インパクトの本拠地モントリオールは年平均降雪量が2m超である。因みに、バッファロー・ビルズの本拠地は屋外スタジアムである。NFLにはバッファローだけでなく、シカゴ、デトロイト、ボストン(ニューイングランド)、グリーンベイ等冬は寒い地域に本拠地を置くチームが多いが、屋根付きのスタジアムは少ない。試合中にフィールドに雪が積もってラインが見えなくなることもあるし、-10度クラスの寒さでも上半身裸で観戦しているファンもいたりする。

冬場に開催する問題点としては、屋外のスタジアムだと事実上デーゲームに限られる為、水曜日開催は不可能になり日程消化は遅くなること、寒い時期に試合を行うと芝が傷むばかりで回復しないこと等もある。NFLは試合をするのは秋から冬のみなのでまだいいが、サッカーの場合冬に試合をしてそのまま春(~初夏)もスタジアムを使うことになるので芝が傷むのは厳しい。しかし、日本チームは海外の荒れた芝で力を出せないことが多いし、芝の生長の良い夏場を養生に使えるので、ウィンターブレークを取れば寧ろピッチコンディションは良くなるかも知れない。

春秋制か秋春制かを決めるもう一つの大きな要因は他のリーグとの兼ね合いであろう。アメリカの場合は、上述したように国内の他のスポーツリーグとの兼ね合いであるが、世界的に見ればサッカーが人気No.1である国が多いので、外国のサッカーリーグとの兼ね合いになってくる。アフリカや中東のリーグが秋春制なのは、気候だけでなくヨーロッパとの関係を意識していると考えられる。

一方、東南アジアは春秋制のリーグが多い。これは東南アジアの他の国との関係もあろうが、東アジアとの関係を意識していると思われる。ご存じのように、シンガポールのリーグ(Sリーグ)にはアルビレックス新潟の下部組織が参加しているし、過去には中国超級リーグの大連実徳や北京国安のサテライトチームが参加したこともあった。

Jリーグは東アジアのリーグなので、東アジアのリーグとの関係を重視するなら春秋制が好ましい。ただ、ビジネスを考えた場合、Kリーグなり中国超級リーグなりに移籍したところで高額の移籍金を取ることは不可能で、やはりヨーロッパのリーグとの繋がりが重要になってくる。ただ、ヨーロッパの移籍市場のメインである夏のマーケットに合わせるとなると、Jリーグはシーズン途中であるのが難点でそう簡単に移籍させる訳にもいかない。ヨーロッパへの移籍を円滑に進めるには秋春制の方が望ましいのは確かだ。

秋春制の方が望ましいもう一つの理由は、大会カレンダーにある。FIFAのガイドラインとして、FIFA及び各大陸連盟主催の大会は1月or7月(但し、1ヶ月程度前後することはあり)に行われることになっているのだが、現実には(ヨーロッパに合わせて)夏開催が多い。ワールドカップは夏開催だし、欧州選手権も夏開催だ。

しかし、他の大陸ではそうとは限らない。2012年のアフリカネイションズカップは冬開催だったし、2011年のアジアカップも冬開催だった。アジアカップは2015年も冬に行われる(オーストラリアは夏であるが)ことが決定している。また、2022年のワールドカップは2011年のアジアカップ同様カタールでの開催となる為、冬開催となる公算が大きい。こうなると、本当に秋春制がベストなのか疑問になる。

以上を踏まえてどのような制度が良いか考えると、個人的には通年制を推したい。但し、通年制と言ってもウィンターブレーク(1-2月)、サマーブレーク(7月中旬-9月中旬)を挟む。この場合、秋開始なら秋春制、春開始なら春秋制となる。シーズン終了をヨーロッパに合わせる観点からは秋春制の方が良いと思うが、春秋制でもかつてのJリーグで採用していた2ステージ制であれば、1stステージ終了しての移籍は容易になる。

この制度の良い点は、大会が夏開催であっても冬開催であっても比較的容易に対応できる点だ。日本人は制度を変えることに抵抗を感じる人が多い国民性なので、大会が夏か冬かの度に春秋制だ秋春制だと言ったところで何も変えられずに終わってしまう可能性が大である。どうせ制度を変えるのであれば、フレキシビリティの高い制度にしておいた方が今後の為だ。

ただ、過密日程の年を移行に当てるのは良いと思うが、それならそのたびに春秋制と秋春制を切り替えるのかという話になってしまう。過密日程の解消は春秋制や秋春制の問題ではなく、チーム数、カップ戦、チームの選手枠、ベストメンバー規定等を見直さない限り解決しない。Jリーグも日本サッカー協会も踏み込みたくない領域だろうが、いい機会だと思って絶対に見直すべきだ。

以上、長々と書いてきたが、結局どんな制度にも長所、短所はある訳で、これがベストだと言い切れるものはない。ただ、短所があるから今のままで良いと言う論理ではいつまで経っても事態が好転することはない。秋春制と聞いただけで猛烈な拒否反応を示す人も多いが、一口に秋春制と言ってもその中身は色々だ。頭ごなしに否定するのではなく、少しでも良い制度を目指して提案していった方が遙かにサッカー界の為になると思うがいかがだろうか。 あとで読む ブックマークに追加する
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2012-05-15 Tue 18:57:26 | trackback(0) | comment(0) | | PageTop▲
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