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公営競技の宿命

Category: 競馬

なんだかんだで踏ん張っている印象だが、限界も近いか。

笠松競馬、11年度は存続へ 賞金削減などで収支にめど
 単年度赤字が予想され、今季限りの廃止も危惧(きぐ)された笠松競馬(岐阜県笠松町)が、2011年度は存続することが確実になった。運営する県地方競馬組合が30日、10年度の賞金・手当などを今後、計約5400万円削減することで、調教師や厩務(きゅうむ)員ら関係者と合意。さらに基金の取り崩しなどで、馬券販売額が過去最低になっても10年度の収支を合わせるめどがついた。

 組合側は30日の会議で、財政調整基金の全額6600万円に加え、従業員退職金のための基金など約7千万円を取り崩したうえで、レースの賞金・手当など約5400万円を削る案を示した。関係者からは反対意見も出たが、「存続が第一だ」として最終的に合意した。

 笠松競馬は1993年度から12年間赤字が続いた。「単年度赤字なら廃止」との条件で2005年度に再出発し、09年度まで単年度黒字を計上した。しかし、地主との訴訟を経て、10年度は賃料出費が増加。さらに景気低迷などの影響で馬券販売額が1970年度以降最低の108億円程度にとどまり、単年度赤字転落の可能性が出てきたため、組合が再建策を模索してきた。(青瀬健、磯崎こず恵)

[ 2010年12月1日5時11分 朝日新聞 ]


笠松競馬と言えば、オグリキャップ、オグリローマン、ライデンリーダーなどの名馬や、安藤光彰、安藤勝己、川原正一らの名騎手を輩出した伝統を持つが、2004年には笠松競馬経営問題検討委員会が廃止を提言するなど、廃止まであと一歩のところまでいったこともあった。

賞金や手当を削減するのは笠松競馬存続の為には致し方ないところだろうが、それが今苦境に立たされている要因にもなっている。経済動物であるサラブレッドは血統の良い馬であれば高値で取引される訳で、元を取ることを考えれば賞金の高いところで走らせたいと考えるのは当然だろう。血統的な魅力に乏しい安馬が活躍することもあるのが競馬の面白さだが、馬の値段=期待値みたいなもので、やはり安馬はそれなりの成績しか残せないことの方が圧倒的に多い。

更に、競馬関係者にとっては競馬は趣味ではない訳で、手当等がどんどん削減されれば生活は苦しくなる。前述の安藤兄弟など、最近はJRAや他地区に移籍する騎手が目立っている。競馬も興行であって興行の目玉として人気騎手や人気馬が必要だが、笠松競馬には興行の目玉がない状態であり、昨今の経済状況を鑑みると低迷するのも当然と言えば当然ではある。

しかし、馬主や騎手を非難することはできないだろう。中央競馬(JRA)であれば最下級条件である未勝利戦でさえ1着賞金は500万円だが、これは笠松競馬で最も賞金の高いレースであるオグリキャップ記念と同額である。地方競馬の最下級条件の1着賞金は最も賞金の高い南関東(大井、川崎、船橋、浦和)で80万円、兵庫(園田、姫路)で30万円、東海(名古屋、笠松)で17万円、高知に至っては9万円だ。騎手が手にするのは賞金のほんの一部であるし、馬主にしてもサラブレッドの購入費用に加えて月々厩舎に支払う預託料が必要だ。預託料は中央競馬で60万円、大井で35万円、高知で10万円+αが相場(厩舎によって異なる)で賞金水準による違いはあるものの(賞金水準に)正比例している訳ではないので、高知辺りでは元を取るのは困難だ。

このような状況故に、南関東はともかく、その他の地方競馬では開催を維持する上で出走馬を確保するだけでも大変な状況になっている。例えば高知と言えば以前にハルウララで話題になったが、出走馬を確保する上では休養は勿論のこと、故障も絶対に避けなければいけない訳で…。そもそも、赤字必至なのに馬を預けていること自体…。これ以上のことを書くのは憚られるのでこれ位にしておくが、地方競馬には色々と”ヤバい”話が多いのが現実だ。

売り上げをアップさせるには世間の注目を集めないことには始まらないと思うが、手っ取り早いのは女性騎手か。当ブログを含めて最近はすぐ美人アスリートに飛びつく傾向があるので(笑)。しかし、当然のことながら誰もが騎手になれるものではないし、ある程度の腕がないと話にならない。競馬サークルは閉鎖的な男性社会であることにはかわりなく、山本茜騎手のようなことも起こってしまう訳で。更に、JRAはともかく、地方競馬では好成績を残しても高収入を得るのは難しい訳で、ルックスと腕を兼ね備えた女性騎手が誕生する可能性は低いだろう。そもそも、女性騎手を客寄せパンダとして扱うこと自体が失礼な話ではあるのだが。

馬券の相互発売、2年後めどに拡大 中央・地方競馬
 日本中央競馬会(JRA)、地方競馬全国協会(NAR)、全国公営競馬主催者協議会は2日、東京都内で記者会見を開き、2年後をめどに中央・地方で馬券の相互発売を拡大させると発表した。

 パソコンなどを使って投票するJRAのPAT会員が、地方競馬のダートグレードレース(地方・中央の交流戦)を中心にした主要レースの馬券を買えるようになる一方、地方の競馬場ではJRAのレースの馬券を現金で購入する場が増える。

 JRAのPAT会員は約300万人おり、売り上げが低迷する地方競馬にとっては人気回復の起爆剤になる可能性を秘める。

 これまで地方競馬の各主催者は個別に馬券の発売システムをつくっていたが、地方競馬側が同一の共同システムを導入するため相互発売が拡大できるようになった。どのレースを発売するか、どの地方競馬場がJRAの馬券を発売するかなどの細部はこれから決めていく。

[ 2010年12月2日21時55分 朝日新聞 ]


こういう話もあるにはあるが、正直あと2年持たない競馬場もあるだろう。更に、地方競馬側で恩恵を受けるのは帝王賞、東京大賞典、JBCスプリント、JBCクラシックなどのJpn1レースを開催できる競馬場位で、既に”瀕死”状態にある主催者を救うことはできないだろう。せめて5年前に実現できていればと思うが、色々なことができるようになったのは競馬法による規制が緩和されたからで主催者側の努力不足とも言えないのだが。

話を笠松競馬に戻すと、笠松競馬の収支が再度悪化し始めたのは朝日新聞の記事にあるように訴訟によるところが大きい。笠松競馬場の約98%は私有地であり土地の賃貸料が発生するが、単年度黒字を計上して以降賃貸料増額を求める地主側と応じられないとする主催者側が対立し、賃貸借契約が合意に達しないまま開催を続けた為、地主側が提訴するに至った。裁判は1審の岐阜地裁での地主側の勝訴後、2審の名古屋高裁で和解協議が持たれ賃貸料は1坪当たり1,200円とすることで合意したが、2011年度以降は固定資産評価額等を基準に再度見直すこととなっていて、今後も予断を許さない状況だ。

地方競馬をはじめとする公営競技は戦後、地方自治体の財政を助ける目的で制度化された。実際、バブル期までは十分に役割を果たしていたが、それ以降は税金を投入して存続を図るケースが増えてきた。また、地方競馬の収益金は地方競馬全国協会への交付金や地方公共団体金融機構(公営企業金融公庫)への納付金にも充てられることになっている。前者は馬産を含む畜産振興(第1号交付金)や騎手の養成(第2号交付金)、後者は地方公共団体が行う事業に対して長期・低利の資金を貸し出すことが目的であるが、収支悪化を背景に両団体への交付(納付)を(無期)延期しているところが多く、その役割を果たせていないのが現実だ。

確かに地方競馬は地方自治体に利益を還元するのが目的であり、その役目を終えた今、税金を投入してまで存続させるのは本末転倒だという考えは理解できなくもない。福山競馬も先日、存続が決定したが、今後については単年度黒字という厳しい条件がつきつけられている。

しかし、廃止論議は単純に競馬の収支だけで進めない方が良いと思われる。娯楽としての競馬は置いておくとしても、競馬に関わる人達の雇用問題や競馬場の建物の解体費用、跡地の再開発の目処等をしっかりと見据える必要があるだろう。21世紀に入って以降競馬場の廃止が相次いでいるが、2001年に突如廃止された中津競馬は累積赤字21億円に対して、跡地に予定されている公園の造成費用は40億円超と言う話であるし、2006年に廃止された宇都宮競馬場も跡地の利用については未定になっている。宇都宮のような県庁所在地レベルの都市でさえ再開発は容易でないのだから、笠松のような小さな町では建物を残したまま場外馬券売り場にするのが精一杯と思われるが、場外馬券売り場であってもスタッフの人件費や建物の改修費用等の維持費はかかるし、地主との賃料云々も引き続き残ることになる。

競馬好きの多くの人達にとって関心があるのは中央競馬であって地方競馬は眼中にないだろうが、地方競馬の存在は中央競馬にとっても重要なことだ。中央競馬がレベルを維持できるのも能力の低い馬の受け入れ先として地方競馬があるからで、今後地方競馬の更なる縮小が進めば、生産頭数減少によるレベル低下と能力の低い馬が中央競馬に入ってくる機会が増えることによるレベル低下のダブルパンチに見舞われる訳で、レース自体のみならず馬券への興味も失われていくことになる。かくいう筆者も主に関心があるのは中央競馬ではあるが、たまには地方競馬にも目を向けて貰えれば幸いだ。 あとで読む ブックマークに追加する
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2010-12-05 Sun 08:17:10 | trackback(0) | comment(0) | | PageTop▲
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