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世界陸上大阪大会総括(その2)

Category: その他のスポーツ

前回のエントリーに引き続き世界陸上大阪大会の総括だが、今回は競技の結果を中心に総括していきたい。

大会を通じて世界新はなし、大会新は女子3000m障害のエカテリーナ・ボルコワ選手(9:06.57)、男子200mのタイソン・ゲイ選手(19.76)の二つとやや寂しいが、男子4x100mリレーで日本チームが立て続けに日本新記録を樹立したように、短距離種目では自己新やシーズンベストはもちろん、今期世界最高やナショナルレコードは多数出ていて、世界陸上の舞台に相応しい結果は出ているだろう。

長距離種目は特にマラソンなどでは世界陸上を回避する選手もいて必ずしも最強メンバーが揃うとは言えないし、暑さもさることながら順位に拘ってスローペースの展開になりがちで記録的には期待できない。短距離種目で記録が出たのは天候に恵まれたこともあるが、高速トラックによるところも大きいだろう。長居陸上競技場は世界陸上に合わせて改修されたが、かなり硬いトラックになっている。オリンピックや世界陸上は夏場の大会で世界記録が期待されるのはどうしても短距離種目になる。大舞台で世界新記録を望むのは関係者にとっては当然のことで、硬いトラックやメインスタンド側もバックスタンド側も追い風になりやすい構造に改修されることが多い。

事実、TBSの世界陸上のホームページに世界の超人BIG5として紹介されている選手を見ると、女子棒高跳びのエレーナ・イシンバエワ選手以外は短距離の選手ばかりだ。イシンバエワ選手は金メダルを獲得したが、他の4人を見るとタイソン・ゲイ選手は100m、200m、4x100mリレーの三冠に、アリソン・フェリックス選手は200m、4x100mリレーの二冠に輝いている。男子110mハードルの劉翔選手は準決勝2着で決勝は大外の9コースになりピンチと思われたが金メダルを獲得したし、男子100mのアサファ・パウエル選手は最後流して銅メダルだったが、悪い走りではなかった。パウエル選手は先週のイタリア・リエティGPで世界新記録(9.74)を樹立したが、ゲイ選手に世界陸上で敗れた悔しさを少しは晴らせただろう。

この5人以外で印象に残ったのはまず男子400mハードルのカーロン・クレメント選手だ。かなり乱暴なハードリングでお世辞にもうまいとは言えないが、逆に言えば桁違いの脚力の持ち主なのだろう。スムーズなハードリングができたら、いったいどれくらいのタイムを叩き出すのかと思うが、脚力があるだけに他の選手よりもハードリングが難しいのだろう。あとは、女子マラソンのキャサリン・ヌデレバ選手だ。これまでの実績は申し分ないものの年齢などもあって周春秀選手などに注目が集まり本命視されていた訳ではなかったが、蓋を開けてみれば強さを発揮して見事に金メダルを獲得した。ヌデレバ選手はこれで三大会連続のメダル(パリ大会-金、ヘルシンキ大会-銀、大阪大会-金)となり、アテネオリンピックの銀メダルも含め大舞台での勝負強さは素晴らしい。5位に終わったが、リディア・シモン選手もベテラン健在を印象付けた。

一方、日本人選手であるが、メダルが女子マラソンの土佐礼子選手の銅メダル、入賞が6(女子マラソンの嶋原清子選手、男子マラソンの緒方剛選手、大崎悟史選手、諏訪利成選手、男子ハンマー投げの室伏広治選手、男子4x100mリレー)に終わった。日本陸連が目標に掲げていたメダル5には遠く及ばない結果となったが、個人的にはまあこんなものかなと思う。TBSのページには日本の超人BIG5として室伏広治選手、末續慎吾選手、為末大選手、池田久美子選手、澤野大地選手が紹介されているが、室伏選手以外は自己ベストを出してメダルというレベルだ。先ほどの世界の超人BIG5でも今回の世界陸上で自己ベストを更新したのはフェリックス選手だけであり、メダルを意識しつつ自己記録を更新するのは容易なことではない。

この5人については後ほどにして、男女ともマラソンについてはよく頑張ったと言えるだろう。銅メダルを取った土佐礼子選手は持ち味の粘り強さが生きたレースだったし、嶋原清子選手も実力は出せただろう。女子マラソンとの比較で何かと不甲斐なさが指摘される男子マラソンだが、緒方剛選手をはじめ3人の入賞者を出したのは賞賛に値するだろう。緒方選手はヘルシンキ大会の銅メダルに続いて2大会連続の入賞だし、エドモントン大会、パリ大会、アテネオリンピックで5位入賞した油谷繁選手など大舞台で全く駄目ということはないのだ。ファンとすればメダル、特に東京大会の谷口浩美選手以来の金メダルを期待したいところだが、ローマ大会金メダル、ソウルオリンピック銀メダルのダグラス・ワキウリ選手やアトランタオリンピック銅メダル、シドニーオリンピック銀メダル、アテネオリンピック7位で3大会連続入賞したエリック・ワイナイナ選手など日本育ちのメダリストは出ている。

ケニア人じゃないかという向きもあろうが、ワキウリ選手もワイナイナ選手も将来を嘱望されて日本に来たわけではないし、スピードランナーでもない。ヌデレバ選手もそうだが、大レースでの集中力と結果に対する執着心の違いが、メダリストになるか入賞止まりかの差になって現れているように感じる。それはともかく、日本人選手の層の厚さや指導者の優秀さは証明できたし、北海道マラソンでデータ収集を行うなど夏場のマラソン対策をしてきた結果だと思う。

さて、日本の超人BIG5(?)だが、まず室伏広治選手。80m46で6位という結果に終わったが、シーズンベストを出していてそれなりの投擲ではあっただろう。とはいえ、パウエル選手が世界新を出したリエティGPで世界陸上3連覇を飾ったイワン・ティホン選手を破って優勝したのを見ると、試合勘が鈍っていたのが原因と思われ惜しまれる結果だ。次に為末大選手だが、ハードル練習をいったん封印して再開したのが昨年末でレースは日本選手権以来2戦目では予選敗退も当然だろう。世界陸上を視野に入れていたのならもっと試合に出なければいけなかったと思うが、それができなかったのはフォームが固まらなかったからだろう。ブランクもさることながら、走力が上がればそれに応じたハードリングが要求されるのは当然で、その辺をどう考えていたのか疑問は残る。しかし、クレメント選手の走りを見ると、銅メダルの上を狙うには走力アップが必要という考えは理解できるし、彼の決断が真価を問われるのは北京オリンピックだろう。

末續慎吾選手、池田久美子選手、澤野大地選手は全く力が出せずに終わった。末續選手の200mはともかく、池田選手の走り幅跳びや澤野選手の棒高跳びなど跳躍種目は番狂わせが起こりやすいし、前述したように大舞台で十分に力を発揮することは容易なことではない。が、暑さや体調不良が原因では話にならないだろう。力を出せなかったというよりは力を出せる状態になかったと言った方が正しいだろう。

末續選手や澤野選手だけでなく走り高跳びの醍醐直幸選手、400mの金丸祐三選手など、痙攣や肉離れなどでまともにレースができない選手が目立った。本来は追い風となるべき日本(大阪)開催が逆に力みにつながったのか、明らかにオーバーワークによるものだろう。痙攣は脱水症状によるものと言われているが、昔ならいざしらず今のスポーツで十分な給水をしないことはありえない。恐らく炎天下のハードな練習でナトリウム不足になっていたところに、一瞬の極度の緊張感が襲った為と考えられるが。一流のアスリートになる為にはハードな練習をすることは必要だが、大舞台で結果を残すには大舞台で力を出せるコンディショニングも重要だ。

とはいえ、一昔前まではオリンピック陸上競技のファイナリストと言えば、暁の超特急と呼ばれた吉岡隆徳さんや日本人女性初のオリンピックメダリストとなった人見絹枝さんの名前が出ていたわけで、その時代からすれば今のようにファイナリストやメダリストが期待できるだけでも進歩はしていると言えるだろう。短距離種目で唯一結果を残せた男子4x100mリレーも、日本新(アジア新)を出しながら5位ということで世界の壁を感じる結果ではあるが、着実に進歩はしているだろう。ただ、短距離種目に関してはマラソンに比べれば実績も劣るし、指導方法なども十分ではなく、今回の結果を十分に踏まえてそれぞれのコーチや日本陸連が指導に当たる必要があるだろう。

また、今回の有力選手たちの不振をマスコミが騒ぎ立てたためと見る人もいるが、それは違うように思う。確かに、マスコミの報道を見れば彼らのメダルは確実のように思えてきたし、選手の集中力を欠く結果に繋がったかも知れない。マスコミだって報道のプロである以上、もっと冷静に実力を分析(大会前の世界ランキングは末續選手の9位が最高)して報道すべきだったのは事実だろう。しかし、プレッシャーがかかるのは当然のことで、タイソン・ゲイ選手もプレッシャーの中三冠を獲得したし、陸上ではないがイチロー選手も「騒がれなくなったら寂しい」と言っている。結果を期待されるのは選手としては本望なはずで、ゴシップネタしか話題にならない某国技に比べれば健全なことだ。

日本人はプレッシャーに弱いと言われるが本当にそうだろうか。プレッシャーに強い人弱い人がいるのは確かだが、何人だからという問題なのか。勝負強い選手を送り出すための一つの方法は、選考レースを一発選考にすることだろう。陸上王国のアメリカは全米陸上の一発選考だし、日本水泳連盟も最近は一発選考にしている。一発選考のメリットは、選手選考に関する不透明感が払拭されること、そして選手のレースに対する調整能力を高めることにあるだろう。先ほどから述べてきているように、特定のレースに向けて調整する能力も選手として大切なことだ。日本陸連の場合、日本選手権が選考レースになっているが、実際には南部忠平記念陸上競技大会などが世界陸上の追加選考会となるのが通例だ。ぎりぎりまで選考を引っ張れば世界陸上への調整は難しくなるし、そんなに選手を多く出したいのなら開催国枠で選手を送り込めば良かっただけだろう。

世界陸上が終わり、次は北京オリンピックだが、土佐礼子選手が内定選手となった女子マラソンの選考が揉めることは目に見えている。二人の選手を選ぶのに三つの選考レース(東京、大阪、名古屋)があるのだから、揉めない筈がない。選考レースを絞らないのはスポンサーやテレビ局を逃がしたくないという日本陸連の思惑なのだろうが。マラソンは陸上競技の中でも最もレース前の調整が結果に響く競技だし、(特に日本人選手は)年に何回も走らないのだからより一層重要だ。また、不透明な選考によって選手が心無い非難を浴びることもある。選手が力を出せる環境にするのが日本陸連の仕事だし、女子マラソンは結果が期待できるのだからゴタゴタで注目を集める必要はない。既に選手は準備に入っているので今回の選考レースが複数になるのは仕方ないだろうが、ロンドンオリンピック以降の選考レースは一発選考にすべきだろう。

最後に中継を担当したTBSについてだが、正直良い印象を持った人はいないだろう。アナウンサーはうるさいし、勉強不足は明白だし、無駄に期待感を煽るしで大いに反省すべきだろう。今回の世界陸上に限らず、他のスポーツ中継でも、他のテレビ局にも言えることだが、スポーツ中継を無理にドラマ化しようとする傾向が強い。その方が視聴率を稼げるのかも知れないが、本当にそうなのか。無理にドラマに仕立てなくてもスポーツそのものにドラマティックな展開はあるものだし、スポーツそのものの良さを伝えていかないと高い(かどうか知らないが)放映権料を払う意味がないのではないか。スポーツ中継のあり方についてもっと真剣に考えるべきだろう。 あとで読む ブックマークに追加する
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2007-09-13 Thu 07:06:50 | trackback(0) | comment(0) | | PageTop▲
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