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海外取材と文化の壁

Category: 野球

”日本の常識は世界の非常識”と言われることは多いが、それを地でいくような出来事が起きた。

Japanese reporter punished for autograph
NEW YORK - No autographs allowed ? in any language. When a Japanese reporter recently asked Roger Clemens for an autograph, he got a signed photo and a swift penalty: His membership in the Baseball Writers' Association of America was revoked.

(quotation end)

By MIKE FITZPATRICK, AP Baseball Writer
Thu Jul 19, 1:16 AM ET


詳細は原文か、鋭読 ~英独のニュースから世界を読む~さんの翻訳を参照されたい。簡単に纏めると、夕刊フジの本間普喜記者がロジャー・クレメンス投手の写真に本人のサインを貰っているところをニューヨーク・ヤンキースの警備員に目撃され、全米野球記者協会(BBWAA)が本間記者の会員証を没収したということだ。

日米の違いは取材スタイルにも現れていて、アメリカでは選手のロッカールームで取材することが多いが、日本ではロッカールームは報道陣は立ち入り禁止になっている。MLBの日本人選手も松井秀喜選手などは日本流(クラブハウスの外で私服でインタビューを受ける)が多いが、城島健司選手や大塚晶則投手などはロッカールームで取材を受けるアメリカ流が多い。余談だが、大塚晶則投手がサミー・ソーサ選手の600号ホームランをブルペンでキャッチした際は、観客とブルペンで撮影会、「I got it! 600」の張り紙があるロッカー前でインタビューと日本ではありえない光景だ(詳しくはご本人のブログで)。

気さくにインタビューに応じてくれるかどうかは選手次第だろうが、報道関係者へ協力することは選手の責務であるという認識はある。とは言え、サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ選手やボストン・レッドソックスのマニー・ラミレス選手のようにマスコミを嫌う選手はいるし、良いコメントを引き出そうとするなら最低限のマナーを守ることは当然のことだ。”郷に入りては郷に従え”と言うし、アメリカのマナーを理解してそれを守るように努めるのは報道関係者の責務であろう。

不文律と言えば、大差のついた試合では盗塁してはいけないとか、カウント3-0から打ってはいけないといったものと同様だろう。当時ニューヨーク・メッツの新庄剛志選手がそのタブーを犯して騒ぎになったことがあるが、アメリカの不文律を日本人が知らないのは当然と言えば当然だし、当時新庄選手が置かれた立場なら一打席も無駄にできないと考えるのは野球選手としては当然のことだと思う。

では、今回のケースはどうだろうか。選手にサインをねだらないというルールは不文律ではあるが、同時に成文化されたものである。2007年度レギュラーシーズン球団-報道関係者間規制を見ると、12番目の項目に

12. メジャーリーグ公認の報道関係者を含むクラブハウスへの訪問者は、職業意識を持った行動をとるよう配慮してください。選手へのサインの要求、設備や器具の移動、選手に用意された飲食物の試飲・試食等はご遠慮ください。 クラブハウスは職場です。 クラブハウス内での取材等は、業務の妨げにならないようできる限り迅速に行ってください。

とある。本間記者は「知らなかった」と言っているが、このルールの妥当性はともかくとして、日本語で書かれた文章であるのだし、例え英語で書かれていたとしても報道関係者なら目を通すのが当然の文書である。「知らなかった」という言い訳が通用しないのは当然だ。

このルールの根底に流れているものは、仕事とプライベートの区別はしっかりつけるということだろう。日本では選手と記者が一緒に食事をしたりすることは珍しいことではないようだが、アメリカでは希だ。松井秀喜選手が初年度のキャンプ中にニューヨークの記者を食事に招待したことがあったが、ニューヨークの記者にはとても奇異に映ったようだ。貴重なプライベートな時間を(うるさいことで有名なニューヨークの)記者と過ごしたがる選手はいないという認識で、記事に手心を加えてくれという脅迫と捉えた記者もいたようだ。松井選手としては自分のことをもっと理解して欲しいという純粋な気持ちだったのだろうが、文化が異なれば全く正反対の意味に取られることもあるのだ。尤も誤解はすぐにとけたようで、”ヒデキはナイスガイだ”というイメージを与えることに成功したのだが。

本間記者の会員証は没収されたが、ヤンキースは試合毎の許可証は発行する方針のようで寛大な処分だと言えるだろう。夕刊フジ側が迅速に詫びたこともあるだろうが、ヤンキースの”アジア戦略”成功の為には、日本をはじめとしたアジアのメディアと良好な関係を築くことが重要と考えているのであろう。

次はゴルフの話だ。男子はメジャーの全英オープンが行われているが、日本のマスコミの関心は”ハニカミ王子”こと石川遼選手が出場する世界ジュニア選手権だったようだ。石川選手は23位に終わったが、コースへの適応力やコースマネージメントなど、これからの課題は沢山あるだろう。石川選手には焦らずじっくりと力をつけて欲しいと思うが、気になるのはアメリカのマスコミや選手に”遼くんフィーバー”はどう映ったかである。

タイガー・ウッズ選手やミシェル・ウィー選手など、アマチュア時代から大きな注目を集める選手はいる。ウッズ選手やウィー選手はアマチュアでの実績も凄かったし、選手としての完成度も高かった。石川選手のショットの切れなどは素晴らしいと思った人もいるだろうが、現時点の評価はまだまだこれからの選手でここ(世界ジュニア選手権)で勝ち負けになる選手ではないというのがアメリカのゴルフ関係者の評価ではなかろうか。そんな選手が何故大勢のマスコミを引き連れているのだ?と疑問に思う関係者がいることは想像に難くない。

アメリカの有力アマチュア選手が注目を集める背景としては、日米のプロ制度の違いもある。日本の場合、プロとして活躍するには(基本的には)プロテストに合格することが必要だが、アメリカの場合はプロテストはなく、プロ宣言したらプロなのだ。アマチュア選手がいつプロ宣言するかは分からないが、大きな大会を節目にするケースは目立つのでマスコミが注目するという寸法だ。アメリカでもカレッジ卒業後にプロになるケースが一般的だが、近年はNBA等と同様カレッジに進学せずにプロになるケースも目立つ。最近だと、日本でも有名になったタッド・フジカワ選手やトニー・フィナウ選手がプロ宣言している。フジカワ選手は小柄(155cm)で宮里藍選手や横峯さくら選手と同じくらいの体格だが、その体格に見合わない豪快なゴルフが持ち味だ。フィナウ選手は190cmを超える文字通りの大物で、その体から繰り出されるショットの飛距離は凄まじい。まだまだ荒削りの印象ですぐに活躍するかどうかは疑問だが、爆発力はある選手だし、数年後にはアスリートゴルファーの一人としてウッズ選手のライバルになっていてもおかしくない選手だ。日本での知名度はまだ低いが、名前を覚えて欲しい選手の一人だ。

節度を越えた取材でマスコミのイメージが悪くなるのはまだしも、それが原因で選手のイメージまで悪くなってはたまらない。選手の足を引っ張るのはマスコミにとっても本意ではない筈で、節度ある取材を心がけて欲しいものだ。 あとで読む ブックマークに追加する
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2007-07-22 Sun 22:15:38 | trackback(0) | comment(0) | | PageTop▲
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